発達障害者ふくの徒然草

発達障害者であるふくの個人的な障害特性に伴う困り感やそれに対してどうアプローチして緩和させているかを徒然なるままに書き留めています。

小説『定型発達症候群』

【小説『定型発達症候群』の解説とか反省とか】小説の公開は恥ずかしい…

こんにちは。 あいかわらず風邪気味のふくです。 よく考えたら毎年この時期は風邪をひいているような気がしてきました。 さて。 小説らしきものを書いて公開しています。 heugbaeg.hatenablog.com …だんだん恥ずかしすぎてつらくなってきました(笑) 逃げられ…

小説『定型発達症候群』11

前回 heugbaeg.hatenablog.com 500年以上前の世界… つまり2000年代は、人口の90%以上の人間が定型発達症候群者だったってこと…?! そんなの信じられない…!! 「そんな…定型発達症候群者ばかりの…障害者ばかりの世界…うまくいきっこないです…!!」 …この…

小説『定型発達症候群』10

前回 heugbaeg.hatenablog.com あの日以来、私は「本と歴史博物館」に足繁く通うようになっていた。 母も私が毎日のように外出するので一安心している。 「あなたがこうして毎日外に出てくれると、お父さんもあまり神経質にはならないからね」 とのこと。 ま…

小説『定型発達症候群』9

前回 heugbaeg.hatenablog.com 先生のメモを見ながら、目的地にようやくたどり着いた。 …たどり着いたのだろうか? 何度もメモの住所と建物近くの地名を見比べる。 携帯電話の現在位置は… 表示されていない。 電波の状態が悪いのかもうずいぶん前から携帯電…

小説『定型発達症候群』8

前回 heugbaeg.hatenablog.com わたしは診断後、徐々に大学へ行かなくなった。 実際に障害があると診断されることのショックは想定以上のものだった。 そして、診断前よりも定型発達症候群について本やインターネットで調べることが増えた。 ほとんど一日中…

小説『定型発達症候群】7

前回 heugbaeg.hatenablog.com 診断名 定型発達症候群 コミュニケーションに困難さがみられる。また、自分ひとりでの行動や決断は心的に著しい負担がかかる。人の表情や声の高さに過剰に反応してしまうところがある。その一方で、視覚情報の処理において高い…

小説『定型発達症候群』6

heugbaeg.hatenablog.com 久しぶりに家族3人で過ごした。 …といっても相変わらず母は早めにごはんを済ませて、父は母がごはんを食べているあいだにお風呂に入り、私は不安と緊張に耐えられず自室にこもっていたので、昨日とあまり変わらないような気もする…

小説『定型発達症候群』5

heugbaeg.hatenablog.com 2回目の通院日にはたくさんの書類をわたされた。 「定型発達症候群の診断には、幼少期のあなたのようすを知る必要があります。あなたご自身にも思い出して書いてもらう必要がありますが…」 先生の眉と眉のあいだが狭くなった。 先…

小説『定型発達症候群』4

前回 heugbaeg.hatenablog.com 初めての病院。 緊張する。 でもインターネットでも評判が良かったからきっと大丈夫。 どうぞ! お入りください。 先生の声がした。 「はじめまして。定型発達症候群かもしれないとお悩みのようですが…具体的にどのようなこと…

小説『定型発達症候群』3

heugbaeg.hatenablog.com heugbaeg.hatenablog.com 定型発達症候群とは (1)社会的に独立することの困難さ (2)コミュニケーションや創造性における困難さ (3)幅の狭い活動や興味 本やインターネットで調べたことをとにかくノートに書いていく。 (1)は主に一人…

小説『定型発達症候群』2

heugbaeg.hatenablog.com 2589年 わたしは大学生になった。 わたしは相変わらずことばにできない苦しさを感じている。 同級生たちからは「変わっている」と馬鹿にされたり、いじめられることもあった。 学校の先生からは、「もっと相手の人の立場を考え…

小説『定型発達症候群』1

2569年 わたしは産声を上げたらしい。 元気な女の子 …のはずだった。 どうしてことばをきちんと使わないの? …母からはいつもそう怒られる。 だって そんなにことばを使わなくても、 相手の顔を見たら、 わかるもん… だからお母さんも、 私の顔をよく見…