発達障害者ふくの徒然草

発達障害者であるふくの個人的な障害特性に伴う困り感やそれに対してどうアプローチして緩和させているかを徒然なるままに書き留めています。

【お父さんが死んじゃった日】「ありがとう」と「ごめんなさい」と「さよなら」と…

 

2019年2月18日、父が亡くなりました。

去年の今日、ですね。

 

 

あれから1年経ったのかぁ…

長いような短いような…

 

 

たぶん、人生でいちばん悲しかった日だと思います。

でも同時に、人生でいちばんたくさんの人に慰めてもらった日でもあります。

 

 

 

 

葬儀屋のお兄さん「大切な人が亡くなったときは、どんな選択をしてもみなさん後悔されています」

 

父の死は、あまりにも突然でした。

数日後には退院予定だと言われていたので。

 

父が亡くなる数日前に母にもう一度お見舞いに行こうか相談しました。

数日後には帰ってきていやでも毎日会えるんだからいいんじゃないと言われました。

その通りだなと思いながら、わたしは笑っていました。

 

 

もう二度と会えませんでした。

 

 

父を病院から葬儀屋さんのところへ連れて行くときに、葬儀屋のお兄さんにおはなしを聞いてもらいました。

 

とにかくご遺族の話を聞こうとされる、とても思いやりのあるお兄さんでした。

 

 

数日前にお見舞いに行かなかったことを後悔していると話しました。

父はもうすぐ退院するからと思って油断していたのかもしれないとつぶやいた気がします。

罪悪感のようなものがありました。

 

 

なんでお父さんは大丈夫だと思ったんだろう。

なんでお父さんが生きていることを当たり前のように思っていたんだろう。

 

 

そしたらお兄さんが言ってくれました。

 

 

みなさん、後悔されます。

ご家族が亡くなられたときは、どんな選択をしても、みなさん後悔されます。

 

 

このときこうしていれば。

あのときこうしていれば。

 

 

…お兄さんはあまり多くを話されませんでしたが、大切な人が亡くなったからこそ後悔するだなと教えていただけた気がします。

 

 

それでも…

 

 

最後のお別れで後悔のないように…と思ってくださっていたのでしょう。

 

 

生前の父が好きだった食べものはなにか。

生前の父の趣味はなにか。

 

 

父のことをたくさん聞いてくださりました。

 

 

そして…

 

葬儀のときは生前の父が大好きだったビートルズの曲をずっと流してくださりました。

 

父の大好物だった御座候と赤福も買ってきてくださいました。

 

父が生前吸っていたたばこも。

 

あとそれから…

 

木製のゴルフクラブをご用意してくださいました。

 

 

ビートルズのCD以外は全て棺桶に入れました。

 

 

黙ってわたしの背中をさすってくださった湯灌師さん

 

わたしは父の死をきっかけに新しいお仕事を知りました。

 

亡くなった方の身体を洗ったりしてくださる方々のことを湯灌(ゆかん)師というんですね。

 

恥ずかしながら知らなかったです。

 

 

わたしは父がきれいにしてもらっているところを見届けることにしました。

 

 

湯灌師さんからは

 

(辛ければ)この場を離れていただいてもかまいません。

 

 

と言っていただいたのですが、見届けたい気持ちが強かったので、ずっと見守っていました。

 

 

父は口が半開きの状態で死んでしまいました。

でも、口が半開きの父の顔を見ていると、父は本当は生きていて、ただ寝ているだけなんじゃないかなぁと思っていました。

 

 

本当に昔からよく見る父の寝顔そのものでした。

 

 

でも…

 

 

命ある限り、人は必ず死にます。

 

 

つらいですが、

 

本当はとってもいやですが、

 

父が死んだということをきちんと受け入れなければいけません。

 

 

 

父は天国へ旅立つための身支度を整える必要がありました。

 

 

口が半開きでは天国では失礼かもしれません。

手もきちんと前でそろえないと神さまや仏さまに失礼かもしれません。

たぶん天国ではなくて極楽浄土という言い方が正しいのかもしれませんね。

宗教に関する知識があいまいですみません。

 

 

湯灌師さんはかたくなってしまった父の顔や腕を、天国で失礼のないように整えてくださいました。

 

湯灌師さんはわたしには見えないように気を遣ってくださいました。

 

少し時間がかかりました。

 

 

あぁ…

お父さん、かたくなっちゃったんだな…

 

そうか…

お父さん、死んじゃったのか…

 

 

 

湯灌師さんから

 

 

もしよろしければ…

お父様が三途の川へ渡るための六文銭を胸のあたりに入れてあげていただけませんか。

 

 

と声をかけていただきました。

 

 

わたしは父に心の中で話しかけました。

 

 

このお金、三途の川に行くまでに使ったらだめだよ!

わかった?!

 

 

でも、心配です。

生前の父は金銭感覚がおかしかったので。

 

 

あの…

 

父は…

 

三途の川へ渡ることができるのでしょうか。

 

 

父は…

 

決して善良だったとは言い切れなかったかもしれません。

借金ばっかりするし…

 

 

でも…

 

いい父親だったんです。

 

 

父は…

 

無事に三途の川を渡れるのでしょうか。

 

 

父は決していい人ではなかったのかもしれないけど、いっぱい苦労したんです。

 

 

だから、天国に…

 

 

 

もう自分でも何を言っているのか全然わかりませんでした。

 

 

身体の幹のようなものもなくなってしまって、座ってられなくなっていました。

 

 

これが泣き崩れるっていうやつなんだなぁ…なんて思いました。

 

 

そんなわたしのずっとそばにいて、

ずっと身体を支えてくれて、

ずっとずっと背中をさすってくださったのが、

湯灌師さんでした。

 

 

お父さん「結婚なんか、しなくていい…」

 

父はたまにわたしに彼氏がいるのかを聞いてきたりするちょっとおちゃめなところがありました。

 

 

父は亡くなる数週間前に、突然婚活アプリのことを話し始めました。

 

 

今どきインターネットとかでいい結婚相手が見つかるらしいやん。

ふくちゃんもそれに登録したらどう?

いい人に出会えるんとちゃう?

 

 

父はわたしに素敵な旦那さまと出会ってほしかったようです。

 

 

ですが、当時のわたしはそんな気がなく…

家事もできませんし、協調性もあまりないので…

 

 

もう二度と結婚を勧められるのはごめんだという気持ち半分と、父を驚かせてやろうといういじわるな気持ち半分で、婚活アプリの危険性について大げさに伝えました。

 

 

世の中には悪い人もいるらしいよ。

身体目当てで登録する人もいるらしいし。

インターネットって怖い世界だよ。

 

 

…本当はその前の月に婚活アプリでいい人と出会って結婚した友人の結婚式に行ったばかりでした。

 

本当に真面目で優しそうな方で安心しました。

超高学歴で女性には不慣れな方のようでした。

 

 

だから本当は…

 

婚活アプリも悪くないんだなって思っていました。

 

 

もし翌月に父が亡くなるとわかっていれば、もっと父が喜ぶような受け答えをしたかったです。

 

 

でも、そのときは知らなかった。

 

 

そうか…

そんなに危ないのか…

 

うん…

じゃあいい…

 

ふくちゃんが結婚しなくてもいい。

そんな変な人はいやや。

 

結婚なんか、しなくてもいい。

 

 

父はわたしが異性からいやがらせをされたりすることを昔からひどくきらっていました。

 

そういうことを耳にすると、父は驚くほど怒っていた気がします。

世の中、父のような男性ばっかりだったら、性被害に遭う女性も減るだろうな…と昔から思うくらいでした。

 

 

だから、娘には結婚して幸せになってほしいけど、異性に遊ばれる経験をして傷ついてしまうくらいなら、結婚なんかどうでもいいと思ったようです。

 

 

このときのわたしはよしよしうまくいったと得意げになっていました。

 

 

ちょっとしたいたずら心で大げさにデメリットを伝えたことをこんなにも後悔するとは思いませんでした。

 

 

父が死んじゃうってわかってたら、もっと父が安心するようなことばを返していたのに。

 

もっとまともなことを言ったのに。

 

 

でも…

 

 

父には申し訳ないけれど…

 

 

うれしかったです。

 

 

何かあれば守ってくれるんだろうと思いました。

異性からいやがらせをされたら、わたし以上におこってくれるんだろうなと思いました。

娘を大切に思っているからこそだと思いました。

 

 

大事に、大事に、育ててくれたんだろうなと思いました。

 

 

 

お世話になりました。

 

 

 

 

 

生前の父について書いています。

 

父との思い出【『アルプスの少女ハイジ』で子育て?!】早朝ブログ55 - 発達障害者ふくの徒然草

 

【お父さんのチキンラーメン】早朝ブログ74 - 発達障害者ふくの徒然草

 

 

 

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今週のお題「大切な人へ」