おはようございます。
聞き手としてもっと成長したいなと思っているふくです。
昨日『ねほりんぱほりん』を視聴して、進行役の山里亮太さんとYOUさんがますます好きになりました。
お二人のように人の話を聞くのが上手な人になりたいです。
さて。
昨日の『ねほりんぱほりん』は、通常回と比べて慎重に扱うべきテーマでした。
「震災で家族が行方不明になった人」
この番組は2020年3月11日に放送されました。
東日本大震災からちょうど9年ですね。
実際に視聴して思ったことは、やはり当事者にしかわからないことはあるし、一人一人の思いはちがうんだなと思いました。
震災で家族が行方不明の人
今回のゲストさんはお二人でした。
普段の『ねほりんぱほりん』では、ゲストさんたちを一度にインタビューする形式が多いのですが、今回はお一人ずつインタビューする形式でした。
アキコ(仮名)さんの場合
中学生のときに父親が行方不明になったというアキコ(仮名)さん。
父親の職場が津波で跡形もないと母から聞いたときには「もう父はだめなんだな…」と思われたそうです。
父を美化してほしくない
周囲の人々が良かれと思って、お父さんのことを褒めてくださっていたようです。
仕事熱心で家族思いのいい父親…
そんな風に周りから父のことを「上書き保存される」ことには違和感があったとのことでした。
周りの方とアキコさん、どちらの気持ちにも共感してしまい、なんともいえない気持ちになりました。
私自身の話になってしまうのですが、昨年父が亡くなりました。
そのときわたしはアキコ(仮名)さんと似たような感情を持ちました。
私の場合は、アキコさんのように周囲の反応がつらかったというより、自分自身が父を美化してしまい、生きていたころの本当の父の記憶を失ってしまいそうで怖かったです。
なので、記憶がさびないうちにこのブログにも父を度々登場させています。
周りから家族が美化されてしまうと、家族のひょうきんさやおちゃめさが消えてしまいそうだなと思いました。
母親との気持ちのズレ
アキコ(仮名)さんの場合は、母親が「夫はまだ生きているかもしれない…」という気持ちと、夫がいなくなって毎日悲しくて悲しくて耐えられないというようすだったそうです。
アキコさんは父が目の前からいなくなり、感情がゼロになってしまったような感覚をお持ちだったそうなので、お母さんとの気持ちのズレに悩んでいるようでした。
できるだけ父親の話題を出さないことで、なんとか今の生活をまわしている…
そんな風におっしゃっていたのが印象的でした。
カズコ(仮名)さんの場合
二児の母親であるカズコ(仮名)さんは、先ほどのアキコ(仮名)さんとはまたちがった思いを抱いておられました。
安置所を100回以上回る日々…
はなしを聞いているだけでつらかったですね。
一つ一つの安置所を回り、複数のご遺体を前に、自分の旦那かどうかを確認する日々が続いたそうです。
津波で流されてしまったご遺体は、どのお顔も泥だらけだったようです。
わたしの父が亡くなったとき、安らかなお顔をされていますね,きれいなお顔をされていますねとよく言われました。
ですがそのときはあんまりその意味がわかっていませんでした。
この番組を観て改めて当時のことを思い出して、納得しました。
さて、『ねほりんぱほりん』に出演してくださったカズコ(仮名)さんですが、泥だらけのご遺体が夢に出てくることもあったそうです。
震災で多くの人々が亡くなる苦しみは想像を絶するものでした。
東日本大震災をきっかけに歯科医院の歯型のデータで身元を確認できる技術が進んでいると聞きます。
身元確認が迅速に進むことを願うばかりです。
旦那が死んでしまったと思う周囲とのズレ
カズコ(仮名)さんは、旦那さんが死んでしまったと思うことはできなかったようです。
もしかしたら…という気持ちを抱くカズコさんにとって、親族の方が葬儀をすることに決めたり、毎日仏壇に手を合わせているようすを見るのはつらかったそうです。
葬儀といっても棺の中に旦那さんがいるわけでもないので、やはり違和感はあるのだろうと思います。
また、津波で全てのものが流されてしまい、遺影をどうすればいいのか悩まれたようです。
唯一、カズコさんのご実家にある結婚式のときの写真を使うことにされました。
まさか幸せなときに撮影した写真が遺影に使われるなんて思いもよらなかった…
というようなことをおっしゃっていました。
「絆」ということばについていけない人たちの存在を忘れない
アキコ(仮名)さんとカズコ(仮名)さんは同じ「震災で家族が行方不明になった人」であっても、それぞれの気持ちは複雑でちがうものでした。
ですが、お二人とも思い鉛のような感情を9年ものあいだ持ち続けてこられたんだなと思いました。
東北がんばれ!
絆!
などなど、東北の復興を前向きに感動的に捉えること自体はそんなに悪くないのかもしれません。
ですが、そんな前向きさしかない雰囲気についていけない方々も多いと思います。
いまだ仮設住宅で生活されている方や、自分の故郷が帰還困難区域に指定されている方も多いと思います。
つい前向きで進んでいることばかりに注目しがちですが、忘れられない、進むといってもどう進めばいいのかすらわからないという方々の存在を忘れてはいけないなと思いました。
…こんな風にブログに書いている私自身がこの番組の次回予告を観るまで、復興しつつある東北という部分しか見てこなかったなと反省しました。
同じ「震災で家族が行方不明の人」であっても、ちがう思いを抱くお二人をゲストとして招いている点がよかったです。
お二人をそれぞれ個別でインタビューされている点もよかったです。
丁寧な番組作りをされているなと改めて思いました。
インタービューに応じてくださったお二人には感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
シーズン4の新作はこの回でおしまいのようです。
スタッフの皆さま、素敵な番組をありがとうございました。
シーズン5も楽しみにしています。
ちなみにわたしの父に関する記事はこちらです。
ずっと覚えておきたくて書きました。
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