発達障害者ふくの徒然草

発達障害者であるふくの個人的な障害特性に伴う困り感やそれに対してどうアプローチして緩和させているかを徒然なるままに書き留めています。

【発達障害のある子どもとの接し方】子どもを頭ごなしに否定しないために。

 

おはようございます。

 

成人後に診断された発達障害者のふくです。

いわゆる「大人の発達障害」者ですかね。

実はこの表現は誤解を招きそうなのであまり好きではありません…

 

小学生の頃は健常児としていわゆる通常級で授業を受けてきました。

通常級っていう言い方もいやですね…

 

 

…小学生のころはしんどいな思うときもありました。

このしんどさが今のうつ傾向や就労の不安定さにつながっている可能性もゼロではないと思います。

 

今の子どもたちにはこのようなメンタルや生活費の不安定さを経験してほしくありません。

そんな気持ちを込めてこのブログを書きました。

 

 

発達障害のあるお子さんとの接し方において、ぜひ気をつけていただきたいこと…

まずはこれだけです。

 

 

頭ごなしに否定しないこと

 

 

…ことばにすると、簡単で当たり前のことのように感じられるかもしれません。

ですが、けっこう難しいと思います。

 

わたしが学童期に経験したことなどを交えて、具体的におはなししていこうと思います。

 

 

 

 

頭ごなしに否定してはいけない理由とその実践が難しい理由

 

発達障害の有無にかかわらず、頭ごなしに否定されたら誰だって自信ややる気を失いますよね。

 

ところが、発達障害者は幼少期から頭ごなしに否定される経験が平均よりも多いかなと思います。

 

 

自己肯定感の低下と過剰適応を招く

 

発達障害は関係ないですね。

人間であれば、ほとんど全ての人が頭ごなしに否定されたら、いやでしょうね。

 

 

そんな経験を幼少期から慢性的に積み重ねると…

 

 

  • 自分のやることなすこと全てがまちがっているような気がして、アイデアや言動の表出を控えてしまう…
  • 自分がまちがっていると考えて、周りと同じように振る舞おうと必要以上に合わせる…

 

 

…などといったことが起きると思います。

 

 

わたしも昔から、

 

自分はまちがっているのでは…?

 

…と漠然と思っていました。

今もこのような漠然とした不安感があります。

 

何かしらの言動をする前や直後に、ふとこんなことを思うのです。

 

 

発達障害のあるお子さんの言動は常識的に考えると突拍子なことが多いです。

 

 

ですがこれらの言動の中には、

 

  • 今まで不便だったことを解消するためのきっかけ
  • 今まで誰も思いつかなかった斬新な切り口

 

も多く含まれています。

 

 

発達障害のお子さんを頭ごなしに否定し続けると、発達障害のお子さんのこのような豊かな発想にブレーキがかかります。

 

 

個人的には社会の損失だと思いますね。

 

 

それでも、発達障害のあるお子さんを頭ごなしに否定してしまうときもあると思います。

 

わかっちゃいるけど…

 

ってやつですね。

 

 

発達障害のあるお子さんが何を伝えたいのかわからない

 

頭ごなしに否定してしまう理由のいちばん大きな理由はこれでしょうね。

 

子どもが何を言っているのかわからない…

 

 

  • 自分で考えた概念や言葉をなんの前触れもなく使う
  • 話を最後まで聞けばわかるけど、誤解されやすい話し方やことば選びをしてしまう
  • 感覚過敏による苦しみを訴えられてもわがままに見える、または対策の方法が思いつかない

 

 

わたしのことですね。

全ての発達障害者に当てはまと言えません。

ですがこのような発達障害児者さんは多い気がします。

 

 

発達障害児者と関わる方々の気持ちを想像してみました。

 

 

  • 自分の子どもが同級生に嫌われてほしくない…
  • 忙しくて余裕のないときに、発言の意図がわからない話し方をされると困る…

 

 

どうでしょうか?

 

発達障害児者と関わる方々も本当に大変だと思いますね。

本人も普段から混乱と不安を抱えているので大変なんですが、周りの方々もまたちがった困りごとがあると思います。

 

 

突拍子な思いつきに怪我や命に関わるリスクがある

 

発達障害児者との接し方に慣れてくると、先ほどの節「何を言っているかわからない」はクリアできると思います。

…と書いてはいますが、本当はとても難しいことです。

 

 

発達障害児者を頭ごなしに否定しないためには、

 

  • 発言の真意を考えること
  • 感情のコントロール
  • 発言を補足するための短い合いの手

 

…というスキルが必要です。

大変です。

簡単にクリアできるわけではないです。

 

 

ですがこれらのスキルを身につけてたとしても、頭ごなしに否定せざるを得ない場面に遭遇します。

 

 

発達障害のあるお子さんが危ない目に遭う可能性があるときです。

 

 

  • 誘拐されてしまうかも…
  • 同級生をケガさせてしまうかも…
  • 命の危険性がある…

 

 

緊急性を要するときはどうしてもすぐに叱って行動を止めないといけないかもしれませんね。

ついつい大きな声になってしまうこともあると思います。

 

 

さらに残念なおはなしをしなければいけません。

 

日本の場合、発達障害のある女の子(女性)の場合、危険な目に遭う可能性が上がります。

 

…性犯罪ですね。

 

発達障害の子どもに性犯罪のリスクや予防策を話すのはめちゃくちゃ難しいと思います。

 

 

  • よくわからず興味本位で見知らぬ人について行こうとしている
  • 何も知らずに(空気が読めないから?)男性の部屋にあがろうとしている

 

 

わが子がこんな言動をとってしまったら、親としてはパニックですよね。

愛しているがゆえの行動なんですが、発達障害のある子どもにはその愛は伝わりにくいかもしれません。

 

悲しいです。

 

 

 

さっきは大きな声で怒ってごめんね。

 

でもあなたを怒るのは、あなたが犯罪に巻き込まれてほしくないと思ったからだよ。

あなたが犯罪に巻き込まれてほしくないのは、あなたのことが大好きだからだよ。

 

でも、もっと優しく注意できるように気をつけるね。

驚かせてごめんね。

 

 

 

…できることなら、ここまではっきりとことばにして伝えてあげてほしいです。

わたしの場合は、手紙とかだとうれしいです。

わたしは言語性IQが高いので、優しいことばをいつでも手元に置いておけるというのはありがたいです。

 

 

発達障害のあるお子さんを頭ごなしに否定しないために

 

前の章でも少し触れていますが、ここではさらに具体的におはなしできればいいなと思っています。

 

 

悪い人がいなければ問題なし?!

 

正直、これがいちばん言いたいです。

 

悪い人たちがものすごく減って、発達障害に理解のあるいい人がめっちゃ増えたらいいんですよ!!

 

 

 こういう人たちが減ればいい…?

  • ちょっとした言葉のあやを責め立てる人
  • 子どもや女性,高齢者,障害者といった社会的弱者を狙う犯罪者
  • 危ない車の運転のしかたをする人

 

 

もし人口の70%くらいの日本人たちに心のゆとりと発達障害の理解があれば、発達障害のある子どもが頭ごなしに否定される経験はめっちゃ減ると思います。

 

 

とてつもなく減ると思います!!

 

 

…でもきれいごとですね。

現実味がありません。

 

日本人たちに心のゆとりを取り戻してもらう方法もわかりません。

発達障害の認知度を上げられるようにがんばります。

ですが個人の力には即効性や威力はありません。

 

今周りの大人たちができることを考えてみましょう。

 

 

集団の非難に加勢しないこと

 

この節は特に教育関係のお仕事をされている方に読んでほしいです。

 

たとえば、発達障害児が何かしらの理由で悪気なく誰かを傷つけてしまう言動をとってしまったとします。

傷つけられた子が泣いてしまったとします。

すると、周りの子どもたちが一斉にこの発達障害児を責めると思います。

 

謝れよー!!

お前、まじで最低だな…

ひどい…

 

このときにその場で発達障害児を叱りつけてしまう先生もいると思います。

 

 

…これをしちゃうと発達障害児の逃げ場がなくなってしまうんですよね。

発達障害のお子さんがどんなに悪いことをしたとしても、非常識な振る舞いをしてしまったとしても、その場にいる全員に叱責されるというのはつらいものです。

 

してはいけないことはきちんと伝えないといけませんが、周りの同級生たちから散々責められたあと、先生からも責められてしまってはその場にいることが苦しいです。

 

先生という立場は子どもにとって絶大な権力があると思います。

先生という一種の権力者が大勢の子どもたちの正義(?)に加担するといじめに発展する恐れもあります。

一度悪いことをしてしまった子どもがその後ずっといじめられ続けるというのはよくないですよね。

でもけっこうありがちな展開だなと個人的には思います。

 

 

  • 叱る前に発達障害の子どもからも事情をきく
  • 叱ったあとは集団で責めた(はやし立てた?)子どもたちにも注意をする

 

…というように、大勢の責め立てる子どもたちと同じ立場で発達障害の子どもとかかわることはやめたほうがいいと思います。

 

 

発達障害のお子さんに事前に伝えておくべきこと

 

誤解を招く言い方をしてしまうことがあるという特性については、発達障害のある子どもに伝えておいたほうがいいと思います。

 

 

誤解を招く発言をしてしまう特性があると本人が知っていれば…

 

  • 「あなたの考えは間違っている」と責められても、誤解されているかもしれないと考えて補足説明をしようと思えます。
  • 誤解ゆえに責められても、自分の性格が悪いからだと考える回数は減ると思います。

 

自分の過失によって責められているのではなく、自分は誤解を招きやすい障害特性があるんだな…と思えたら、自己肯定感は必要以上に低下しないと思います。

また、誤解されないように改善や工夫をしようというやる気もわきます。

 

自分が悪いんだ…というような漠然とした罪悪感を持たせないためにも、発達障害のあるお子さんと一緒にどういう特性があって誤解されやすいのか、誤解されたときはどうすればいいのかを話し合うといいなと思います。

 

 

じっくり待つ

 

多くの方に実践してほしいことです。

 

ちょっとだけ待ってほしいのです。

 

 

それは、だめだよ!!

なんて非常識なやつだ!!

 

 

…と興奮してしまう前に一度立ち止まってほしいのです。

 

 

たぶん、もう少しはなしを聞けば、案外理解できることも多いです。

 

 

  • 今のは○○という意味で合ってる?
  • ○○ってこと?
  • どうしてそう思うの?

 

 

ちょっと時間と労力がかかりますが、こういう風に聞いてもらえれば、あっ誤解されている、今の発言の主旨が伝わっていないと発達障害者側が気づくことができます。

 

 

このひと手間がなく、突然責められてしまうとこちらの伝え方が悪かったから誤解されてしまったということがあとでわかっても、責められた記憶が残ってしまいます。

 

 

発達障害児者を責める前に、もしかして言いたいこととちがう風に受け取ってしまったかもしれない…と冷静になってもらえたら助かります。

 

 

 

定型発達者(発達障害のない人)にとって、発達障害児者の言動は理解できないことも多いと思います。

 

  • 頭ごなしに叱ってしまったときはあとでフォローする
  • 集団で責めない
  • 補足説明を促す
  • いったん待つ

 

といったことをしていただければ助かります。

 

 

 

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