発達障害者ふくの徒然草

発達障害者であるふくの個人的な障害特性に伴う困り感やそれに対してどうアプローチして緩和させているかを徒然なるままに書き留めています。

司馬遼太郎『燃えよ剣』【激動の時代に志を貫くことの尊さと儚さ】

この記事は2020年5月18日に作成しました。

 

 

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おはようございます。

 

関西出身の現代っ子ふくです。

 

でも最近のトレンドやオンライン技術あまりについていけてません。

 

 

世の中の流れとはちがうほうへと突き進んだとき、その人は、その人生はどうなるのでしょうか。

 

 

今回のブログはそんなことを考えてながら書いていきたいと思います。

 

 

今回の主人公は…

 

土方歳三

 

です。

 

 

小説『燃えよ剣』の主人公ですね。

 

 

 

 

小説『燃えよ剣』に対する率直な感想

 

まずは、小説『燃えよ剣』について率直な感想です。

 

 

燃えよ剣』上巻

星1.0

 

燃えよ剣』下巻

星5.0

 

 

...こんな感じです。

 

 

上巻を読んでいるときは、図書館で借りたことを後悔するくらい、わたしには合わないと思いました。

 

ですが、下巻ではついつい涙が流れ、読み終わったあとも、激動の時代に人はどう生きるべきかなどについて考えたりしました。

わたしは凡人なので結局大した結論は出せませんでした。

 

 

読みづらい上巻

 

上巻はとにかく読みづらいです。

司馬遼太郎作品の多くが読みづらいのですが、今まで読んだ本の中で群を抜いて読みづらかったです。

 

その理由は

 

  • 頻繁に登場する旧地名
  • 現代とちがいすぎる価値観

 

にあると思います。

 

 

まず、関西出身のわたしにとって、舞台が関東というのが苦しかったです。

 

わたしは地理が苦手で、高校生のときも世界史選択だったので、近畿地方以外の地名がさっぱりわかりません。

旧地名なんてもうさっぱりです。

 

 

また、現代とは異なるジェンダーにも未だになじめません。

 

はじめて司馬遼太郎作品を読んだときは、妾(めかけ)が読めませんでした。

ふり仮名がふってあったのをメモしたと思います。

もちろん意味も知りませんでした。

 

 

意味がわかっても妾制度になじめません。

女性の多くはあまり歓迎できる制度ではないと思いますね。

 

 

この『燃えよ剣』、一番初めの章を要約しようものならグーグル先生から怒られてしまいそうな内容です。

ちょっと驚きましたね。

司馬遼太郎好きの教育関係者はこの本を女子生徒に薦めたら、セクハラで訴えられそうなので、慎重に...

 

 

 

 

閑話休題坂本龍馬土方歳三の「自慢の一着」

 

とはいえ、上巻にも良い場面がありました。

個人的には山南敬助沖田総司のやりとりが好きでしたね。

 

また、当時の「写真」技術についての記述がとても興味深かったです。

 

当時、写真は「ほとがら」と呼ばれていたようです。

なんかこの音の響きだけでも面白いですよね。

“photograph”を当時の日本人ががんばって聞き取った結果、「ほとがら」になったのでしょうか。

 

上巻では、そんな「ほとがら」を撮る近藤勇を、やや冷ややかな目で土方歳三は見ていました。

 

どうやら当時の写真技術で被写体をくっきり写すためには、白粉を大量にぬらないといけないようです。

また、写真が撮影されるまで息を止める必要があったようですね。

このことを知ってから改めて近藤勇の画像検索をするとなかなか面白かったです。

 

 

さて。

 

この「ほとがら」、のちに土方歳三も撮っています。

その一枚がなんとなく気になっていたこともあり、『燃えよ剣』を手に取ったのかもしれません。

 

 新選組といえば、保守的で日本の伝統を守っている印象がありました。

そんな新撰組土方歳三が髪をおろして(?)、洋服を着ていることにずっと疑問を持っていました。

このほうが戦がしやすいからだとこの小説には書かれていました。

 

 

ところで。

 

 

幕末期の革新的な人といえばこの人しか浮かばないであろう坂本竜馬ですが、坂本竜馬の「ほとがら」は、袴姿なんですよね。

これぞ武士って感じの雰囲気です。

 

 

...逆だなと思いませんか。

 

 

坂本竜馬のほうが新しいもの好きで、土方歳三のほうが日本古来のものを大切にしてそうな印象があったので、なんとなく不思議です。

 

彼らの「自慢の一着」って、やっぱり袴なんでしょうか。

それとも洋服なんでしょうか。

今よりも気合を入れて「ほとがら」を撮影すると思うので、やはり竜馬は袴、歳三は洋服なんでしょうかね。

 

 

今週のお題「自慢の一着」

は以上です(笑)

 

 

 

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初志貫徹の下巻

 

土方歳三近藤勇はうすうす負け戦になることに気づいていたようですね。

勝つか負けるかというよりも、土方歳三たちが賊軍という風潮が出来上がっていたのでしょうね。

また、当時の薩摩藩長州藩には勢いもありました。

やや暴走気味だという意見もありますよね。

 

ですが、当時としては、薩長が天子様をお守りする官軍であり、歳三たちは賊軍というわけですね。

 

それでも、土方歳三は戦そのものにこだわります。

戦に洗練さを求めているようにも感じましたし、上洛する前と変わらぬ「バラガキのトシ」を感じました。

 

 

...万世に易(かわ)らざるものは、その時代その時代の節義を守った男の名だ。新選組はこのさい、節義の集団ということにしたい。たとえ御家門、御親藩譜代大名、旗本八万旗が徳川家に背をむけようと弓をひこうと、新選組は裏切らぬ。最後のひとりになっても、裏切らぬ

 

燃えよ剣』(下)より引用

 

 

土方歳三には何度も降伏してほしい、生きてほしいと思いました。

生きてこそと思うのですが、これは現代の感覚ですね。

長生きしてほしかったなと思う一方で、その生きざまに凛々しさを感じました。

 

 

空気を読むことや時代の流れをつかむことこそが成功への道だという風潮の強い現代社会では、土方歳三のような意思の強い人は生きづらいかもしれませんね。

時代錯誤だと振り落とされてしまうのかもしれません。

ですが、土方歳三が命を賭けて守り抜いた精神や生きざまは、後世に何らかのかたちで遺ると思います。

 

わたしはあまり政治についてはよくわかりませんが、多くの政治家は主張や意見がしょっちゅう変わっていて、信念のようなものが見えません。

憎まれても、嫌われても、これこそが国のため、国民のためというような志を持っている政治家を見たことがないです。

日々変わる世論に流され、その日そのときの国民にとって聞こえのいいことしか話してくれない気もします。

土方歳三のような一本筋の通った政治家がいればいいのになと思います。

 

 

 

 

映画『燃えよ剣』をとても楽しみにしてたんですけどね。

映画公開が延期になってしまいましたね。

 

この映画の主演は岡田准一さんなのですが、同じく司馬遼太郎作品の『関ヶ原』でも主演をされていました。

凛々しくて儚い作品でした。

 

 

映画の開始1秒足らずで、

 

あぁ…

この戦は負けるんだなぁ…

 

と感じました。

 

 

演技についてはド素人ですが、岡田准一さんは寡黙で繊細な男性を演じるのがお上手だなと思います。

 

いつか見たいですね。

 

 

 

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